この記事を読んでほしい方
- 初めて飲食・食品販売を始める方
- 飲食店で提供するための食材を保管している方
- 自宅から離れた場所に店舗や作業場がある方
- 無人販売や委託販売で食品を扱うオーナー
- 店舗運営にあまり費用をかけたくないが、品質は守りたい方
- 食中毒事例や法的リスクが不安な方

こちらにあてはまる方にぜひ読んでいただきたいです。

実体験をベースに書いています。
目次
食の安全を軽視しない
「うちは小規模だから大丈夫」
「趣味の範囲でやっているから」
「常温の商品だから問題ない」
そう思っていませんか?
特に飲食や食品販売を本業としていなかった人ほど、食の安全についてピンとこない部分もあるかもしれません。

しかし、食品を扱うということは、人の命を預かるということ。

取り返しのつかない事故につながることがあります。
食品販売の店舗運営の経験から
実は以前に、無人販売店で食品の販売を行っていた時期がありました。

2人とも食品系の企業に勤めていた経験があります。

食品衛生責任者の資格も夫婦で持っているんです。
その際に最も気を使ったのが、温度・湿度の管理でした。
店舗にクーラーは設置されていて、夏場は24時間フル稼働でした。
しかし日差しや湿度、クーラーの霜取り時間などによって室温は大きく変動します。またいつクーラーが壊れてしまうかも予測できません。

「始めてから様子を見よう」「夏になってから考えよう」では遅いです。

お客さんの安全を第一に守らなくてはいけません。これは前職で叩き込まれたことでした。
実際に起きた食中毒事故
2016年:焼き肉チェーンでのO157集団食中毒
~数十人が感染し、営業停止・刑事責任の追及に発展。原因は加熱不足と保存温度の管理不備でした。
2020年:惣菜店のポテトサラダによるO157感染
~調理後の冷却が不十分だったことで菌が繁殖。保存温度のわずかな油断が被害を拡大させました。
2023年:無人販売の冷凍餃子での腐敗・苦情
~販売環境の温度上昇が原因とみられるケース。無人販売の利便性を過信した結果、信用を失った例です。
2023年:イベントで販売されたマフィンの食中毒
~事前に大量製造した際の温度管理や移動手段などに問題があったケース。「手作り」や「バザー」などでも健康リスクを再認識するようなニュースになりました。
これらの事故では、被害者への損害賠償が数百万円〜数千万円に及ぶケースもあります。

食品販売者は、たとえ個人でも法的な責任を問われます。

口にされた方の健康被害が長期に渡ってしまうことや、命を落としてしまうケースも…
大前提として、自宅で調理・製造したものを営利目的で販売することは法令違反です。保健所に届け出が通っている施設で作業することが定められています。
食中毒を起こしたときの法的リスク
- 営業停止・営業許可取り消し(食品衛生法第55条など)
- 罰金刑(最大200万円)または懲役刑(食品衛生法第72条など)
- 被害者への損害賠償責任(民法第709条)
- SNSでの風評被害・信頼失墜
これらの法的責任が、食品を扱う従事者にはかかってきます。
営業責任者はもちろん、製造者・店舗スタッフ(身内のお手伝い含む)・搬送者など、そのお店に関わる全ての人が理解しておく必要があります。
さらに無人販売店のように販売者が常駐しない形態では、より「仕組みで安全を守る」ことが重要になっていきます。

SwitchBotでできる温度管理の自動化

そこで私たちが取り入れていたのが、SwitchBotです。

スマート化のために、自宅に取り入れている方も多いでしょう。
このSwitchBotの製品を駆使することで、離れたお店の温度・湿度の管理を安心して行うことができました。

大がかりな工事は不要なので、必要経費も抑えられました。
リアルタイム監視
SwitchBot温湿度計を使えば、店内環境を常に記録しスマホで確認できます。
棚ごとの温度差も「見える化」できるのがポイントで、特に温度変化の影響が気になる商品の傍に設置していました。

無人店なので万が一に備えて、しっかり固定して取れないような工夫をしていました。
自動アラート・通知機能
一定の温度を超えたらアラートを送信する設定が可能です。
外出中でもスマホで異常を確認でき、寝ている間でも気がつくようにしていました。
エアコン連携
SwitchBotハブミニを使えば、室温が上がった時に冷房の設定温度を下げることができます。
下がったら再び元の設定に戻すなど、全てをスマホで遠隔操作できます。どこにいてもできるので、お店に様子を見に行く必要がありません。

この連携のおかげで、猛暑でも安定した温度・湿度を保つことができました。
データログの活用
温湿度の履歴を残せるため、トラブル発生時のエビデンス(証拠)としても役立ちます。
外気温によってどのような温度変化があるかを可視化できるのはもちろん、万が一の時に備えての強力な安全証明としても使用できます。(これ、とても重要です)
食品衛生の見える化を低コストで実現でき、お客さんと運営者両方を守ってくれるツールです。

温湿度計は、あえてお客さんから見える場所に設置していました。

さらに「24時間体制で温度管理を行っています」というPOPも貼っていたね。
食の安全は意識から
SwitchBotはあくまでツールです。前提として大切なのは、安全に対する意識です。
センサーが警告を出しても、それを放置すればパフォーマンスに過ぎません。
データを日々チェックして環境を見直し、小さな変化に気づけるオーナーであることが、食の安全を守る第一歩だと思います。

「そこまでする必要ある?」と思ってしまう人は、厳しい言い方ですが食品を扱うべきではないと思います。
小さな投資で、大きな安心を
食品を扱う=命を扱う
食中毒は、たった一度でもお店の信用を失います。健康被害が大きいほど、お互いが受けるダメージは計り知れません。
そのためにも温度・湿度を徹底的に見える化して、24時間体制で安全性を高めていきましょう。
SwitchBotの導入はガジェット好きの遊びではありません。責任あるオーナーの安全対策の第一歩であり、慎重すぎるくらいの対応が求められます。

今回紹介したSwitchBotは、あくまでも小規模なお店で取り入れることができる簡易的なものです。本格的な衛生管理を目的とした完璧な製品ではありません。扱う食品や業態・運営規模によって求められる衛生基準が変わっていきます。事業を始める前には必ず管轄の保健所の確認を得るようにしてください。
昨今、メルカリなどフリマサイトにおいても食品の出品が目立ちます。中には(未届出の自宅で製造した食品や、ご当地銘菓の小売り転売なども…。
これらは食品衛生上認められていない行為であり、健康リスクを孕んでいます。出品者はもちろん、購入者も慎重な判断が必要です。
コメント