【大人の社会科見学】裁判傍聴、あなたもできる!札幌で知る司法の現場

大人の社会科見学(公共施設)
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「裁判傍聴ってハードルが高い…」
「札幌でも毎日裁判は開かれている?」

裁判傍聴に興味があっても、きっかけがつかめない人が多いのではないでしょうか。
また東京・大阪・名古屋などの情報はあっても、北海道での裁判傍聴記録はネットでも多く見かけません。

そんな方のために、札幌地方裁判所での傍聴の方法や雰囲気をわかりやすく紹介します。

私が札幌で裁判傍聴を始めた理由

最初はただの興味本位でした。
でも実際に傍聴してみると、ニュースで伝えられるのは事件のほんの一部にすぎないと気づきました。裁判では、加害者・被害者の関係性や事件の背景が細かく語られ、ドラマや映画以上にリアルな世界が広がっています。

そして通い続けるうちに、「自分がいつ被害者になるかわからない」だけでなく、「自分がいつ加害者になるかわからない」という現実を強く感じるようになりました。
この経験を通して得た気づきを、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。

そもそもなぜ裁判は傍聴できるの?

裁判が国民に公開されているのは、公正な司法を守るためです。
もし、誰にも見られず密室で裁判が行われていたらどうなるでしょうか? 
もしかすると不公平な判決が下されるかもしれません。
だからこそ、誰もが自由に傍聴できる仕組みになっているのです。
裁判を見に行くことは、ただの興味や勉強になるだけでなく、私たち一人ひとりが司法を監視する役割を担っているとも言えます。

札幌地方裁判所の傍聴は意外と簡単

札幌地方裁判所では誰でも自由に裁判を傍聴できます。
大きな事件以外は傍聴席がガラガラなので、思い立った時に足を運んでみてください。

場所:札幌市中央区。地下鉄西11丁目から徒歩3分ほどのアクセスしやすい場所にあります。

開廷時間:平日の午前10時頃から午後4時頃まで。裁判によって開始時間が異なります。

開廷日:基本的に平日のみで、土日祝日は裁判が行われません。

開廷情報:当日の裁判の予定は、裁判所の掲示板(1階)に貼り出されます。裁判員裁判のみ札幌地裁HP検察庁HPで事前に確認できます。

手続き:特に事前の申し込みなどは不要ですが、入り口で簡単な手荷物検査があります。

傍聴の流れとルール

1. 入口で手荷物検査を受ける

裁判所に入る際には、空港のような簡単な手荷物検査があります。
刃物など凶器になるものや、録音機器やカメラの持ち込みは禁止です。
ただしスマホの持ち込みまでは規制されていません。

2. 傍聴する裁判を選ぶ

裁判所のロビーに、その日の裁判予定が書かれた掲示板があります。
事件の種類や法廷の番号が載っているので、自分が興味のある裁判を選びましょう。

スマホで開廷表を撮るのは禁止なので、みなさんメモをとっています。

3. 静かに入室する

札幌地裁は下層階には各種手続きを行う窓口や事務室が入っていて、法廷は上層階です。
刑事裁判は8階で行われることが多いので、エレベーターで上がります。
法廷の出入りは自由ですが、裁判が始まっている場合は静かに入りましょう。
特にドレスコードはありませんが、あまり派手すぎる服装は避けたほうが無難です。

各法廷の入口ドアに中を覗ける小窓がついています。

4. 傍聴中のルール

裁判官が入室したら、他の人と一緒に起立して礼をします。
私語は禁止で、帽子は脱ぎましょう。
携帯の電源もオフにするのがマナーです。

5. 途中退出もOK

裁判中でも、静かにすれば途中で出入りすることができます。
長時間の裁判の場合は、疲れたら外に出て休憩するのもアリです。

補足:裁判傍聴には明確な年齢制限はありません。
中学生が社会科見学で訪れている時もあります。
ただし事件によっては子供へのショックが大きいことを考慮しましょう。
私語や泣き声、いびきなどで退廷の注意を受けることも。

初めてならこの事件から傍聴しよう

いきなり殺人事件や暴力事件を傍聴すると、内容がヘビーすぎて気持ちが沈んでしまうことも。
最初は心へのダメージを抑えられそうな裁判を選んで、法廷の雰囲気に慣れていきましょう。

窃盗事件:コンビニの万引きや自転車盗難など、身近な犯罪なので理解しやすいです。

交通事故関連:事故の原因や過失の判断など、自分の生活にも関係する内容が多く、学びになることも。

詐欺事件:だましの手口や被害者の証言など、リアルな犯罪の実態を知ることができます。

ヘビーな事件を傍聴する際の注意点

殺人事件や強姦事件などの重大事件は、裁判の内容が非常に重く、精神的に負担になることがあります。(具合が悪くなることも)
もし傍聴するなら、いくつかの点に注意しましょう。

エンパスの気質がある人は注意。

被害者の証言が生々しいこともある

特に性犯罪事件では、被害者の証言や映像証拠などが提示されることがあり、心に強く残る可能性があります。
耐えられないと感じたら、無理せず途中で退席しましょう。

遺族や関係者が傍聴していることもある

重大事件では、被害者や加害者の家族が傍聴席にいることがあります。
彼らの気持ちを考え、マナーをしっかり守りましょう。

判決が予想と違うこともある

「もっと重い刑罰になると思ったのに」「こんな理由で減刑されるの?」と驚くこともあります。
判決に感情を持ち込みすぎず、冷静に見ることが大切です。

傍聴して驚くこと

実際に裁判所に足を運ぶと、意外なことがたくさんあります。

私が札幌地裁で体験したいくつかのカルチャーショックを紹介します。

釈放中の被告が普通にそのへんにいる

保釈された被告は、次の裁判の順番待ちをしていたり、普通に歩いていたりします。
傍聴人だと思っていた隣の人が、実は被告人だったことも少なくありません。

和やかに弁護士と談笑していることも…

1人の裁判官が連続で複数の被告人を裁く

「さっきまで違う事件の裁判をしていたのに、もう別の事件?」と驚くかもしれません。
裁判官は同時進行で複数の裁判を担当しています。
札幌地裁は曜日ごとに持ち回りで裁判を担当しているようです。

裁判官はいつ寝てるんだろう…

被告人と目が合うことが多い

法廷は意外と狭く、目の前に被告人や弁護士・検察官がいて、思った以上に距離が近いです。
また司法関係者は「事件に関係している人が来ているかも」と傍聴席に目を配る人も多いです。

傍聴席に私含めて2人ということもありました。
あなたは誰?という視線を受けました。

司法関係者の言葉は非常に具体的で難しい

裁判官・検察官・弁護士が使う言葉は、一般的に私たちが使う言葉とは異なり、法律に基づいた難しい表現や専門用語が多いです。
裁判の進行を理解するためには、少し事前に法律用語を知っておくといいかもしれません。

全ての言葉を略さず正式名称で言わなくてはいけないので、いちいち長いです。

民事裁判は難しい?刑事裁判とのちがい

刑事裁判とは、加害者と被害者がいる事件の裁判のことです。
加害者には弁護士がつき、被害者には検察官がついて議論を交わします。
一方の民事裁判は基本的に弁護士同士の戦いです。
専門用語が飛び交い、進行も非常に速いので、初心者には少し難しく感じるかもしれません。

民事はとにかく早口

双方の弁護士がスピーディーに議論を進めるため、何が起こっているのかわかりづらいことが多いです。

開廷して5分で終わることも。

一般人にはわかりにくい専門用語が多い

民事で多いのは労働環境を会社に訴える裁判や、著作権などの権利の争い、金銭トラブルから医療事故まで幅広い訴訟案件です。
専門用語が頻繁に出てくるため、事前にある程度の知識がないと理解が追いつかないことも。

刑事裁判ほどのドラマ性は少ない

感情的な対立よりも、証拠や契約の細かい話がメインになるので、人によっては退屈に感じるかもしれません。

とはいえ、裁判の流れを知る上では貴重な経験になります。興味がある人は一度見てみるのもおすすめです。

マスコミが数が多いのは民事です。
会社のトップなどが出廷する時は、多くの記者が待ち構えています。

その他傍聴のために覚えておくといいこと

ニュースになるような事件は抽選 

主に裁判員裁判のことが多いですが、ニュースを賑わしているような大きな事件の裁判は、傍聴希望者が殺到するため抽選になります。
まず決められた時間に裁判所前に集まり、全員に数字が書いた紙を渡されます。
後ほど受験発表のように法廷に入れる人の番号が貼り出されます。
なおその紙を入廷前に誰かに譲渡することはできますが、途中で人が入れ替わることは認められていません。

傍聴券獲得のために並ぶバイトの人もいます。

常連の座る席はなんとなく決まっている

裁判所に通い慣れている人たち(いわゆる傍聴マニア)は、いつも決まった席に座ることが多いので、空気を読んで座るのがベターです。

検察官と弁護士の見分け方

検察官も弁護士も、見た目はどちらも普通のスーツで同じ場所から出入りします。
また法廷によって、座る位置も定まっていません。
そこで両者の見分け方はただ1つ。調書をふろしきに包んで持ってくる方が検察です。

弁護士の方が派手めで、検察官の方が地味な印象の人が多いです。
あくまでも私の偏見です。

刑事裁判は第1回目の公判がおすすめ

初公判では事件の概要(冒頭陳述)が説明されるので、話の流れがわかりやすいです。
事件の詳しい内容が知りたければ、このタイミングで傍聴するのがよいでしょう。

何回目の公判かは開廷表に書いてあります。

銃刀法違反や薬物関連の傍聴は注意

これらの裁判は、少し怖い人たちが傍聴席に集まることがあります。
特に犯罪者と直接関係がありそうな人々が傍聴席に座っていることがあるため、そのような裁判に行く際は少し注意が必要です。

とはいえ裁判所内では規律が守られているので、心配しすぎることはありません。

法廷内はお腹の音も響く静けさ

裁判所内は非常に静かで、ほんの少しの音でも目立ちます。
途中の移動はもちろん、座っている間に物音を立てないように気をつけましょう。

札幌地裁には食堂はありません。
1階の売店でお菓子や軽食が販売されていて、休憩スペースがあります。※喫煙所あり

まとめ〜いざ裁判傍聴へ

裁判所での傍聴は、誰でも自由にできる貴重な体験です。
裁判の中で起きているリアルなやりとりを目の当たりにすることで、法律や社会の仕組みについて深く理解できます。
ニュースやドラマだけでは知り得ない現実を、ぜひ裁判所で感じてみてください。

昨日まで善良に生きていた人が、ある日を境に「加害者」にも「被害者」にもなります。

司法の現場を生で見てみることで、私たち一人ひとりがどれほど社会と繋がっているのか、そして司法がどれほど重要な役割を果たしているのかを実感できるはずです。

この記事は、面白半分での傍聴をすすめるものではありません。
裁判は私たち一人ひとりが司法を見守る権利と責任をもつこと、
報道では伝わらない事件の背景や、誰もが当事者になりうる現実を知ってもらうために書いています。
はじめて傍聴を考えている方の背中を、そっと押すきっかけになれば幸いです。
また傍聴の際は、モラルとルールを守りましょう。

北海道で裁判傍聴ができる場所

裁判傍聴前の予習におすすめのドラマ

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