衆議院選挙のときに、別の投票箱に入れられる最高裁判所裁判官国民審査。
「どうせ全員、ずっと裁判官をやってきたエリート中のエリートでしょ?」 そう思って、なんとなく白紙で出していませんか?

え?全員、裁判官じゃないの?!

実はあのリストには、本職が裁判官ではない人が何人も混ざっているんです。
今回は、知っているようで知らない国民審査のウラ側を、噛み砕いて解説します。
目次
驚きの事実!たたき上げじゃない人が混ざる理由

最高裁判所の裁判官は、全部で15人。
実はその中で、ずっと裁判官をやってきた人は半分以下しかいないのが、今の日本の慣例なんです。
リストの中には、こんな経歴の人たちがいます。
- 弁護士出身: 市民の悩みや企業のトラブルを現場で解決してきた人
- 学者出身: 大学で法律を研究し、理論的な正しさを突き詰める人
- 官僚出身: 外交官など、国を動かす仕組みや国際社会に詳しい人
なぜ純粋な裁判官だけじゃダメなの?
最高裁は、単に事件の犯人を決める場所ではなく、法律そのものが憲法に違反していないか?を判断する憲法の番人です。
一方向の考え方に偏らないよう、「社会の常識」「学問の理論」「国の運営」といった多様な視点を混ぜることで、バランスの取れた判断ができるようにしているのです。
なぜ選挙のついでに審査するの?
そもそも、なぜわざわざ選挙と同じタイミングで、私たちが裁判官を審査するのでしょうか。
それは最高裁判所の裁判官が、国会議員や総理大臣でも口出しできないほど、ものすごいパワーを持っているからです。
法律を変える力すら持つ彼らを、内閣(政治家)だけで選ばせておくと、時の政権に都合のいい人ばかりが選ばれる恐れがあります。
そこで、最終的なクビの決定権は国民が持つという民主主義のセーフティネットとして、この制度が作られました。
今回の審査対象は2名だけ。その理由は?

今回の選挙では、リストに2名しか名前がありません(※2026年2月選挙の例)。

最高裁の裁判官15名全員やらないの?

毎回全員やりません。明確なルールがあります。
国民審査を受けるのは、以下のタイミングだけです。
- 任命されてから、最初の衆院選のとき
- その後、10年経ってから最初の衆院選のとき
つまり、上記の条件に当てはまるのが今回は2名のみということです。
2026年2月の衆院選では、弁護士出身の高須順一氏と、学者出身の沖野真已氏です。
他の13人は、すでに前の選挙で合格済みだったり、まだ10年経っていなかったりするため、今回は審査の対象ではありません。
判断材料はどこで見ればいい?

ええ、でも、全然知らない方なんだけど…

ほとんどの人にとっては馴染みがないですよね。でも大丈夫。選挙直前でもチェックする方法があります!
最高裁の裁判官を審査するために、ネットでも簡単に閲覧できる3つのチェックポイントをご紹介します。

① 審査公報で経歴をチラ見する
投票所や、事前に配られる審査公報には、各裁判官のこれまでの仕事ぶりがまとめられています。
- 弁護士出身なら、どんな事件を解決してきたか?
- 学者出身なら、どんな研究をしてきたか?
これを見るだけで、過去の実績やなぜ裁判官に任命されたかが理解できます。
② 社会を二分するニュースへのスタンスを見る
最高裁は、私たちの生活に直結する大きな決断をします。
例えば以下のようなテーマで、その裁判官がどう判断したかをニュースサイトなどでチェックしてみるのが確実です。
- 夫婦別姓を認めるべきかどうか
- 一票の格差をどう考えているか
- LGBTQの権利やプライバシーの保護について
各メディア(NHKや新聞各社)が選挙前に、裁判官アンケートとして分かりやすくまとめているので、自分の考えに近い人を探してみましょう。
③ 多数派かこだわり派か
最高裁の判決文には、全員一致の結論だけでなく、たとえ少数派でも「私はこう思う!」という独自の意見(反対意見や個別意見)を載せることができます。
周りに流されず、自分の信念を貫く人かどうかを、ここから読み取ることができます。

サイトをチェックしてみたけど、けっこう分かりにくいね…

たしかに専門用語が多くて難しい。読む気が失せてしまう方は、次の記事もぜひ参考にしてみてください!

投票前にこれだけは注意!
国民審査の投票方法は、普通の選挙と少し違います。
- 「×」をつける: この人はふさわしくない、と思う人にだけ書く。
- 何も書かない: 「この人でいい(または判断がつかない)」なら白紙で出す。
要注意なのは、「◯」を書いてしまうこと。
この人を応援したい!と思って「◯」を書くと、その票は無効になってしまいます。
基本は引き算の投票だと覚えておきましょう。
私たちの一票が持つ意味

「よく知らないから白紙でいいや」という白紙投票は、信任(OK)という意思表示になります。

今まであまり深く考えたことなかったよ。

でもニュースを見てると、納得のいかない裁判結果に憤ることってありますよね。
次に投票所へ行くときは、経歴をチラッと見ておくだけでも、日本の未来を守る番人選びに前向きになれるかもしれません。
⇒裁判に興味を持てる記事を書いています



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