
Die With Zeroを読んでから、資産を早めに使うことに興味を持っています。
投資を長く続けていると、どうしても「増やす」ことに集中してしまいがちです。
しかし資産は人生を豊かにするために、使うべき時に使ってこそ生きるもの。
私も50代を間近に控え、意識的に「経験投資」に貯蓄を回すようになりました。
そして海外への旅行資金として、投資信託の一部を現金化しようと考えています。
けれど――
いざ「どこを崩す?」となると、悩みますよね。

「貯めマインド」から脱却するのは、勇気がいるね。
- 旧NISAのままにしておくべき?
- 新NISAを触るのはもったいない?
- 特定口座を崩すと税金がかかる?
この記事では、そんな迷いを整理しながら、できるだけ手元の資産を減らさずに現金を作る方法を紹介します。
目次
「どこを売るか」より「何のために売るか」

資産を崩す前に、一歩立ち止まって考えたいのが「目的」です。
たとえば、
- 一時的な出費(旅行・家電・車)
- 人生の節目(住宅・教育・イベント)
- 将来設計見直し(リタイア・移住・介護)
目的によって、どの口座を崩すのが合理的かが変わります。
今回のように、旅行資金といった一時的な出費なら、必要な金額だけ現金化するのがポイント。
全部を売ってしまうと非課税枠を失うことになるので、目的に合わせて部分的に売却するのが理想です。

旧NISA・新NISA・特定口座の違い
まずは、売却時の税金や枠の扱いをざっくり整理しておきましょう。
| 口座種類 | 売却時の税金 | 非課税枠の再利用 | 売却後の扱い |
|---|---|---|---|
| 旧NISA | なし(非課税) | 再利用不可 | 売却後は終了。再投資するには新NISA枠を使う |
| 新NISA | なし(非課税) | 再利用不可 | 売却分の枠は戻らない |
| 特定口座 | 約20%の税金 | ― | 利益に課税されるが、枠の制限なし |
この中で、非課税で売却できるのは旧NISAと新NISAですが、新NISAは長期運用の柱にしたい枠。
一方、旧NISAはすでに非課税期間が限られているため、使い切るにはちょうど良いタイミングでもあります。
売るなら旧NISAが最も合理的
旧NISAは2023年までの制度で、非課税期間は最長5年(ロールオーバーで最大10年)です。
※ロールオーバー…旧NISAの満了時に、翌年の非課税枠へそのまま移し替える仕組みのこと。

すでに残り期間が短くなっている人も多いよね。
旧NISAのメリットは、何といっても売却益がすべて非課税という点。
課税口座だとせっかくの含み益に20%ほど税金がかかりますが、旧NISAならその心配がありません。
たとえば含み益が100万円ある人が旧NISAを売ると――
その100万円すべてが自分の手元に入ります。

特定口座なら税金で約20万円が引かれる計算だから、この差はかなり大きいね。
一部だけ売るという選択肢ができる
「旅行資金に100万円だけ使いたい」
そんなときも、投資信託なら金額指定の売却が可能です。
たとえば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などの人気ファンドを旧NISAで保有している場合でも、「100万円分だけ売却」といった指示が出せます。
この方法なら、非課税で必要分だけ現金化でき、残りはそのまま運用を続けられます。

そうなんだ!ちょっと安心!

最近の全世界株式インデックスは高値圏だから、一部利確するには悪くないタイミング。
旧NISAは、非課税期間が最大5年で、期限を迎えると課税口座へ自動で移管されます。
その時点の評価額が新たな取得価格になるため、含み益が多いほど将来の課税リスクが大きくなります。
満了前に売却やロールオーバーの検討をしておくと、思わぬ税負担を避けられます。
新NISAはできるだけ触らない
新NISAの成長投資枠は、長期での資産形成に使いたい大切な枠です。売却してしまうと、その分の枠は戻ってきません。
そのため、短期の資金需要には不向きといえます。崩すなら旧NISAか特定口座を選ぶのが基本です。
※成長投資枠は、売却した分が翌年に「生涯投資枠」として復活します。
ただし、その年に使える上限(年間240万円)が増えるわけではありません。
あくまで生涯の持ち分が戻るだけなので、年間枠の範囲内で再び買い直す形になります。
ただし、どうしても「相場が崩れそうで怖い」「投資方針を変えたい」といった明確な理由があるなら、新NISAの一部売却も選択肢にはなります。

旅行資金のような一時的な支出には、温存しておくのが賢明です。
特定口座を崩すのは最終手段
課税口座(特定口座や一般口座)を売却した場合、利益に約20.315%の税金がかかります。
つまり、100万円の利益が出ていても手取りは約80万円ほど。
非課税のNISAに比べると効率が悪いため、どうしても他に選択肢がない場合に限りましょう。
ただし、損益通算や損失繰越ができるという利点もあるので、他の投資で損を出している年なら、あえて課税口座を売却するのも一つの戦略です。

うむ。全体のお金の流れを冷静に見極めることが大事なんだね。
売却タイミングのコツ
「今は高い?下がるまで待ったほうがいい?」
そう考える人も多いですが、短期的な値動きを読むのは難しいものです。
特に旅行資金など使う時期が決まっているお金は、目的のタイミングに合わせて現金化するのがシンプルで生きたお金の使い方といえます。
投資の目的は、お金を使うこと。
タイミングを逃してストレスを感じるくらいなら、計画的に一部を利確する方が精神的にも健全ですね。
売却後の資金をどう管理するか
売却した資金はすぐに口座に入金されます。SBI証券などでは、数営業日で指定の銀行口座に振り替え可能です。
旅行などで使い切ったあとにもし余りが出たら、新NISAの成長投資枠を使って再投資するのもおすすめです。
旧NISAの枠は再利用できませんが、新NISAなら年120万円(つみたて枠)+240万円(成長枠)=最大360万円まで投資が可能。旅行で気分をリフレッシュしたあと、改めて資産運用を再スタートできます。

気持ちを切り替えて、再び「増やす楽しみ」を満喫♪
「使うために投資する」という考え方
日本では「投資=使わないお金」というイメージが根強いですが、本来投資は将来の支出を支えるための準備です。
子どもの教育資金、住宅購入、老後、旅行――
どれも「お金を使う」ための目的があってこそ意味があります。
だからこそ、使うタイミングで使うことは悪いことではありません。むしろ、投資の出口戦略として自然な行動です。
【旅行資金】崩すなら旧NISAから必要な分だけ
最後に、今回の内容をまとめます。
| 判断ポイント | 最適な選択 |
|---|---|
| 非課税で現金化したい | 旧NISAを一部売却 |
| 将来の運用を優先したい | 新NISAは触らない |
| 税コストを気にしないなら | 特定口座も選択肢だが基本は後回し |
| 使う目的が明確(旅行など) | 金額指定で一部売却がベスト |
旅行資金にしてもリフォームや家族行事にしても、資産をどう崩すかを考えることは、「どう生きたいか」を考えることにもつながります。
NISAで育てたお金を、ちゃんと使うことに罪悪感を持たず、投資の成果を生活に活かすという視点を持てば、投資はもっと楽しく実感のあるものになるはずです!






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