個人事業主?法人?起業初心者が知っておきたい最初の選択ガイド

本業を卒業して個人事業主を目指す人のための選択肢について解説 投資と副業でふやす
この記事は約7分で読めます。

副業ブームやスキルの多様化で、「自分の名前で仕事をしたい」「好きなことを事業にしたい」という人が増えています。
でも最初に悩むのが――
「個人事業主として始める?それとも最初から法人化?」という選択。

今回はそんな悩める2人を例に、起業時の選択肢をわかりやすく整理しました。

副業から本業へ~会社を興すならどっち?

【登場人物】

1人目:ハンドメイド作家のまゆみさん

夫の扶養内で雑貨店のパート勤務中。
趣味のかぎ編み作品が人気となり、フリマサイトで売れるように。
今後はパートを週2にしつつ、自分の作品を本格的に売っていきたい。
将来は子供や高齢者に向けたかぎ編みワークショップを開くのが夢。

2人目:会社員のひろしさん

IT企業勤務。
生成AIの勉強をいち早く始め、今では有料級の知識量。
副業で講師業を始めたく、いずれは独立を考えている。
だが今の収入や社会保険を手放すのが少し不安…。

起業のスタートには大きく2つの方法がある

個人事業主として事業を始める時には、大きく分けて次の2パターンがあります。

・個人事業主として始める
・法人(会社)を設立する

どちらにもメリット・デメリットがあるため、焦らず比較することが大事です。

白色申告 vs 青色申告 ― まずは「個人事業主」で始めるなら?

まずは白色と青色の違いを覚えておきましょう

項目 白色申告 青色申告(10万円控除) 青色申告(65万円控除)
事前申請 不要 必要(開業後2ヶ月以内) 必要(+複式簿記)
帳簿の形式 簡単な帳簿でOK 単式簿記 複式簿記
控除額 なし 10万円 65万円
青色専従者給与 使えない 使える 使える
赤字の繰越 できない できる(最大3年間) できる(最大3年間)
節税メリット

※青色専従者給与=青色申告している個人事業主が、家族に仕事を手伝ってもらったときに、その家族に払う給料を経費にできる仕組み。

青色申告には「10万円控除」と「65万円控除」の2つが用意されています。
きっちりした帳簿をつけると大きな控除(65万円)が受けられて、ちょっと簡単な帳簿なら10万円の控除になります。自分に合った方法を選べるようになっているんです。

まゆみさんのようにまずは小さく始める人には、青色申告(10万円控除)でも十分メリットあり。売上が増えてきたら、65万円控除&複式簿記にもチャレンジ!

ハンドメイド作品で個人事業主を目指す女性

法人の種類と助成金の受けやすさ

ここからは法人の種類について解説

法人形態 特徴 設立費用 助成金の受けやすさ 節税効果 向いている人
株式会社 一番オーソドックス。信頼性が高い。 約20〜25万円 スケールアップ前提の人
合同会社(LLC) 設立コストが安く、運営がシンプル。 約6〜10万円 少人数やひとり起業に最適
一般社団法人 非営利活動も可能。地域・教育活動に強い。 約6万円 低〜中 社会貢献・ボランティア系
NPO法人 社会貢献特化。行政認証が必要。 数万円+時間 非常に高 福祉・教育・環境系の活動に本気な人

起業スタイルや目指す活動内容によって、最適な法人形態は変わります。
コストや助成金、将来の展開も考えながら、自分に合った形を選びましょう。

ひろしさんのように講師業・IT系なら、合同会社や株式会社で始めるとブランディングも有利。

講師業で法人化を目指す男性

まゆみさんが将来、子供向けワークショップを定期的に行うなら、一般社団法人の選択肢も。

 

いずれにしても、今すぐに法人化するべきか?ということを冷静に考えることが重要です。

なぜスモールステップで始めるのがオススメなのか?

1. キャッシュフローが「肌で」わかる

「売上はあるけど現金が残らない…」ということはよくあります。
材料費や発送コスト、仕入れロスなど、実際に動かしてみることで経営の感覚が身につきます。

2. 経費・税金の感覚を身につけられる

開業届を出してみるだけでも、帳簿や申告に対する意識が変わります。
いきなり法人化して“自腹の洗礼”を受ける前に、段階的に慣れるのが安心です。

3. 精神的リスクを最小限にできる

「法人化したのに赤字続き」「扶養を外れたら逆に家計がキツい」
そんな事態を防ぐには、試しながら判断できるスモールスタートが安全。
法人化は後からでもできますが、廃業・清算は手間がかかります。

■ 実際のオススメステップ(副業や扶養内の人に特に)

まずは小さく販売(フリマ、委託、知人への販売など)
年間の利益が20万円を超えてきたら、
👇
開業届を出して、青色申告(10万 or 65万)で個人事業主デビュー
👇
利益が年間300〜500万円を超えてきたら、法人化の検討
👇
年間の利益が500〜1000万円前後に到達したら、法人化を本格検討

「売上=利益」ではありません。
毎月の利益と生活コストとのバランスを冷静に見て、法人化のタイミングを見極めるのがコツ。

事業は売上ではなく利益ベースで考えようというイメージ絵

いきなり法人化するのはアリ?そのメリットと向いている人

「副業でもしっかり売上がある」「スタートから信頼が必要」
そんな人は、最初から法人化するメリットも十分あります。

1. 企業案件や講師業に信頼力をプラスできる

名刺に「〇〇株式会社 代表取締役」とあるだけで、法人=しっかりした相手と見なされることも。
講師やBtoB業務では、個人よりも法人の方が契約や信用を得やすいです。

2. 補助金や助成金が受けやすくなる

国や自治体の創業補助金・小規模事業者持続化補助金など、多くの制度は法人が優遇される傾向に。
初期投資が大きい人は、これらの活用でスタートダッシュも可能です。

起業1年目!ワンオペ起業に使える効率よくて現実的な助成金ガイド
副業から本格起業へ!ワンオペ起業でも使いやすい助成金を厳選紹介。個人事業主・法人それぞれに合った現実的な支援策をわかりやすく解説します。

3. 節税の幅が広がる・社会保険にも加入できる

法人化することで、所得分散(役員報酬など)・経費計上の幅が広がります。
さらに社会保険加入もできるため、将来の年金や保障面でも安心感があります。

【診断チャート】あなたはどっち向き?

 

これから始めようとしている事業がどれに当てはまるかチェックしてみてください♪

🟰 Q1. すでに毎月コンスタントな売上(10万円以上)がある?
➡️ ✅ はいQ2へ
➡️ ❌ いいえQ3へ


🟰 Q2. 今後、企業や法人との取引予定がある?(講師・コンサル・制作など)
➡️ ✅ はい【法人化スタート型】が向いています!
➡️ ❌ いいえQ4へ


🟰 Q3. 生活費の足し程度で始めたい?今はリスクを抑えたい?
➡️ ✅ はい【個人事業主スタート型】がベスト!
➡️ ❌ いいえQ4へ


🟰 Q4. 売上に波がある?または収入の見込みがまだ立っていない?
➡️ ✅ はい【個人事業主スタート型】で様子を見よう
➡️ ❌ いいえ【法人化スタート型】も検討の余地あり!

✨診断結果まとめ

  • 【法人化スタート型】:最初から信用を重視したい・企業案件が多い人向け

  • 【個人事業主スタート型】:まずはスモールステップで始めたい人向け

【まとめ】~最優先事項を棚卸しましょう

「個人事業主→法人化」は自然なステップです。

 

でも焦らなくてOK!

まゆみさんのようにゆっくり育てたいなら、まずは青色申告から始めてみましょう。
一方で、ひろしさんのようにスキルと信頼性が必要なら、いきなり法人も十分アリ。

自分のキャッシュフロー、目指す働き方、社会保障の考え方に合わせて選ぶようにしましょう。

この記事を書いた人
ルン

「ルンのお得生活|節約・投資・優待」を運営するルンです!
札幌在住。
投資歴20年で株主優待メインの個別株投資を中心に、クレカ積立やIPO投資も活用しながら資産形成をしています。
最近は生成AIを活用した投資・資産運用の効率化を模索。
このブログでは、
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などをわかりやすく発信。
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