
今回は、副業大好き家庭にありがちなお話です。
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まず、失業手当とは何かをおさらいしましょう
基本の原則: 失業手当(=雇用保険の基本手当)は、「雇われていた人」が、職を失ったときに支給されるものです。
つまり個人事業主(=自営業者)は、雇用保険に原則として加入できません(加入制度がないため)。
よって、「自分で事業を始めた」「開業届を出した」というだけで、 たとえ収入が少なくても“自営業者=仕事してる人”とみなされ、失業手当の対象外になることがあります。

この制度設計が、今回の問題の根っこにあります。

副業のつもりが“自営扱い”されるあなたへ
「パートも辞めた。雇用保険もちゃんと払ってきた。 なのに“開業届を出しているから失業じゃない”って、どういうこと?」
この記事は、そんなモヤモヤを抱えているあなたのために書いています。
この記事はこんな人向けです!
- パート退職後に失業手当を申請しようとしたら、“開業届を出してますよね?”と止められた。
- 副業でライターやハンドメイドなどをしているが、収入はごくわずか。
- 雇用保険料は払ってきたのに、“自営”と見なされて手当がもらえないのは納得いかない。
原則、個人事業主=失業者ではない
失業手当は「雇われていた人」が職を失ったときにもらえる制度。
つまり、開業届を出している=自営の意思がある人=失業状態ではない、と見なされるのが基本スタンスです。
たとえ副業が趣味レベルでも、“開業届”という紙1枚が「働いている人」の証拠として扱われてしまう現実。

じゃあ、どうしたらもらえるの?
① “実態として失業している”ことを証明する
- 副業の収入が月数千円程度しかない
- 作業時間が1日1時間もない
- 今後の活動予定がない or 休止中
こういった状態なら、「就職を希望する求職者」として扱ってもらえる可能性があります。
→ ハローワークで正直に伝える+書類で証明できるように準備を。
② 思い切って「廃業届」を出す
副業を一時ストップして、「私は今、自営業者ではありません」と公式に示す方法です。
- 廃業届は税務署に提出。ネットでもダウンロード可能。
- また再開したくなったら、再び開業届を出せばOK。
→ 税務署も慣れてるので、「またですか〜」くらいのノリで受け付けてくれます。

③ “就職したい気持ち”を全力でアピールする
ハローワークの面談では、
「副業やってました!キラキラしてます!」 はNGワード。
むしろ、
「副業は届けを出しただけで、今は実質何もやってません…」 くらいの湿り気ある雰囲気がベスト。
→ ポイントは求職中であることを印象づけること。

失業手当受給の条件が、「再就職する意思があること」が前提なのをお忘れなく。
また、パターン別にいくつかの例を紹介しているこちらの記事も、ぜひご覧ください。
ハローワークは開業届をどう把握してるの?バレる?
結論から言うと、「絶対にバレる」とは限りません。
ハローワークが積極的に税務署へ問い合わせることは基本ありません。
開業届の情報が即連携されているわけでもないので、 自分から言わなければ気づかれない可能性もゼロではないのが現実です。
…が。
「嘘つくのはイヤ」「聞かれたらどうしようとビクビクしたくない」 という人は、やはり正直に話して受給できる形を整えておく方が安心です。

あと、確定申告をしている人は要注意!
提出した書類の収入欄に事業収入が記載されていたら、 後でバレる可能性もゼロじゃないので…堂々と通る方を選びましょう。
開店休業レベルって、どう証明するの?
「実態として働いていません」と言うなら、それを裏付けるものがあると安心です。
書類で見せられるものの例
- 副業の売上がわかる帳簿や収支メモ(毎月の売上が数千円程度)
- 銀行口座の入金履歴(報酬の振込が月1以下など)
- カレンダーや日報的メモ(活動していない日が多い)
- 業務委託の契約書など(単発で、継続性がないことを示す)
- SNSやWebサイトの更新が止まっていること(活動停止感)
→ 「これは仕事として成り立ってません」と伝える説得力を積み上げていくイメージです。
廃業届って、いつまでに出せばセーフ?
できれば、失業手当の初回申請前(ハローワークに行く前)に出しておくのがベストです。
なぜなら、開業中のまま申請すると「開業してる=失業じゃないよね」と言われて、 一度保留→調査→面談…という面倒なルートに入りやすいから。
でももしすでに申請してしまっていたとしても、 次の認定日までに廃業届を提出しておけば間に合うこともあります。
→ 詳しいタイミングは、ハローワークに事前相談して調整可能です◎

なんでも聞くのが1番!そこまでハロワは冷たくありません。
どう伝えれば失業状態って認めてもらえるの?
ハローワークの職員さんも人間です。
正直でちゃんと生活の不安を伝えられる人には、ちゃんと寄り添ってくれます。
同情を引く伝え方のポイント:
- 「副業として登録はしたけど、仕事はほとんどなくて…」
- 「家計を支えるには就職しかないと思って…」
- 「不安で、安定した職を探しています」
→ 「副業で生きていくつもりはない」「本気で働きに出たい」という姿勢を出せば、 「じゃあ今回は支給しましょうか」と判断してもらえる可能性がグッと上がります。
副業収入の上限目安は?
月3万円以内くらいであれば、「生活の中心はこれじゃないですね」と見なされやすい印象です。
それ以上あると、「じゃあこっちで頑張れば?」とツッコまれる可能性が高まります。
→ ただし明確な基準はなく、あくまで全体の雰囲気と誠実さで決まる部分も大きいです。

失業手当を受給している期間中に副業収入があった場合は、 ハローワークの認定日に申告が必要です。
→ 隠すと後から不正受給扱いになる可能性もあるので注意!
※申告すれば、その分だけ手当が差し引かれる形で受給されます。

まとめ~あなたが悪いわけじゃない。
制度が不親切なんです。
- 雇用保険を払っていた人が
- 収入も少ない副業をやっていたというだけで
- 「失業じゃない」と切り捨てられる
そんなのおかしい。でも、現実です。

だからこそ、今、知っておくことが大事。
でも大丈夫です。すでにあなたは「知らずに損する」側ではありません。
本職も副業も頑張ってきたあなたが、ちゃんと権利をまっとうできるよう、この情報が届きますように。
✅忙しい人のための超ざっくりおさらい
- 開業届は(今後に期待して)そのままで、失業手当を欲しい人
→ 副業が“開店休業レベル”であることを証明しよう(売上・活動実績なし+就職希望アピール) - 失業手当欲しいし、いったん副業の存続を見直したい人
→ 廃業届を提出して“自営業ではありません”を明確に。再開も後からできるので安心。
→ どちらの選択肢もちゃんと知識を持って立ち回れば、損せず、正しく受け取れる可能性があります!
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